チャコールグリルとガスグリル
バーベキューグリルには大きく、チャコールグリルとガスグリルがあります。
チャコールグリルは木炭(チャコール)を燃料とするグリルで、ガスグリルはガスカートリッジを利用するグリルです。
チャコールグリルは、ホームセンターやスポーツデポでよく販売されているものですので、イメージは付きやすいと思います。
代表的なチャコールグリルとしては、ロゴスのステンチューブグリルやウェーバースモーキージョーがあげられるでしょう。
他方で、ガスグリルとしては、なんといっても、ロードトリップグリルでしょう。
チャコールグリルとガスグリルではどちらが良いのでしょうか?
以下で説明しますが、私としては最初に持つならチャコールグリルかな?と思います。
チャコールグリルとガスグリルの特徴
チャコールグリルとガスグリルの違いは見た目からしてわかりやすいと思いますが、使用するにあたっての違いとしては、
①すぐ料理することができるか
②火力調整の幅が広いか
③長時間の調理をする場合の燃料費
などがあげられるでしょう。
ガスグリルのメリットは何といっても楽なことです。
チャコールグリルのように木炭に火をつけるのにどうしようと考える必要もなく、ものの数秒で火をつけることができ、その直後から調理を開始することができます。
ほとんどの方がバーベキューをするのはキャンプの場でしょう。
キャンプの場合、食事以外にもいろいろしないといけないことがありますので、バーベキューだけにそこまで労力をかけられないということもあります。そのような場合、上記のようなロードトリップグリルであれば、肉を焼くこともできるし、ちょっと燻製もすることができるし、お湯を沸かすこともできるし、朝にホットサンドを作ることもできるし、すぐ撤収できるというお父さんにとって夢のような状態となるわけです。
他方で、チャコールグリルは積み上げる木炭の量によって火力を調整することができますので、あまり意識されていない方も多いかもしれませんが、火力調整の幅は非常に広いといえます。
チャコールグリルは、遠赤外線によって焼くので肉をおいしく焼くことができるといえますが、遠火でオーブンのように利用することで分厚い肉にゆっくりと火を通すことができます。このような料理というのは家で作ることが難しいので特別感もありますし、なんといってもおいしいのです。(美味しんぼでは、ガスグリルは水蒸気が出るので、ガスグリルで焼いたウナギはまずいというような話もありましたね。)
また、木炭をこのように利用する場合、木炭が勢い良く燃えないよう酸素の供給量も減らしますので、あまり木炭を消費しないことになり、結果として、燃料費は調理時間の割には少なくなるといえます。
そもそも、日本で「バーベキューをしよう!」という場合、出てきたグリルがガスグリルだったらちょっとテンションが下がりますので、その点もチャコールグリルの長所といえるかもしれません。
初心者はどちらを選ぶべきか?
以上のような、チャコールグリルとガスグリルの違いを説明しますと、初めてバーベキューグリルを購入する際は
「ガスグリルの方が簡単だからいいのかな?」
と思われるかもしれません。
しかし、僕はチャコールグリルをお勧めします。
確かに、ガスグリルは簡単でバーベキューへのハードルを下げることができます。
しかし、バーベキューは遊びの一環です。
そして、チャコールグリルはやはり面白いのです。屋外で遊ぶ場合、火を使うというのは何とも言えず面白いと感じるでしょう。
また、初心者の場合、バーベキューをこれからもたくさんするかどうかわからないと思います。
ガスグリルは、先ほど述べたコールマンのロードトリップグリルであれば、時期にもよりますが、3万円以上しますし、燃料代も高いです。
しかし、チャコールグリルの場合、ホームセンターで買うような安いものであれば、数千円で大きなものが買えますし、ウェーバースモーキージョーでも大きさによりますが、1万円前後で購入することができます。
では、ガスグリルは全面的にダメなのかといいますとそういうわけではありません。
僕であれば、ガスグリルは上級者にこそ使いこなせるものと思います。
年に数回程度であれば、たとえ面倒くさくてもチャコールグリルで遊びたいと思いますが、何度もバーベキューをするのであれば、ガスグリルでも十分おいしく焼ける食材を選んでガスグリルで調理するというのもよいと思います。
例えば、特に生のトウモロコシのように皮で包まれた状態で焼く食材は、ガスグリルでもチャコールグリルでも味は変わらないと思います。また、寒くなってきた場合、ポトフなどに物を作る場合もチャコールグリルにこだわる理由がありません。
このような場合は、まさに面倒くさくないというガスグリルのメリットが前面に出てくるとともに、チャコールグリルのメリットは楽しいという以外になくなってしまいます。
しかし、初心者の方が、バーベキューを行うのは夏といわないまでも、暖かくなってきてからでしょう。
そのような時期であれば、チャコールグリルの方が基本的にはいいのかな?と思います。
チャコールグリルの選び方
チャコールグリルを選ぶ際はいろいろな観点から検討する必要がありますが、僕の中では、チャコールグリルには3種類あると思います(一人用は除きます。)。
一つ目が、ホームセンターで売ってる四角いやつやロゴスのステンチューブグリルに代表される四角いやつです。
このメリットは、焼くスペースの割に小さく収納できるので、使いやすいといえます。
いいものになると値段は張りますが、安いものもありますので、買いやすいというメリットもあります。
安いものの問題点は耐久性といわれますが、いきなり壊れるわけではありませんので、初めて買うのであれば、いきなり耐久性が高くて値段も高い物を選ぶよりはとりあえず安いものを買って、自分にとってどのようなグリルがあっているのか考えた方がよいのではないかと思います。
二つ目は、ユニフレームのファイヤーグリルです。
焚火ができるというメリットがあります。しかも、耐久性も非常に高いです。
バーベキューをする際の問題の一つは、撤収です。
木炭はなかなか火が消えませんので、バーベキューが終わったと思っても、火が消えるまで寝れないとなると、なかなか寝れないことになります。
通常この問題は、木炭をヒバサミでつかんでバケツに入った水に沈めるという方法や、火消壺に入れるという方法によって鎮火します。しかし、どちらの方法も細かな木炭の消火が困難でやはり簡単に撤収することができません。
この際、水をかけてしまおうと思われる方もいらっしゃいますが、急激な温度変化で変形しますので、安いバーベキューグリルの場合、その際に壊れるということになるのでしょう。
僕は、何もわからずに、焚火ができるという理由でユニフレームのファイヤーグリルを購入し、消火する際も何も知らず、水をかけて消火していたことがありましたが、ファイヤーグリルは確かに少し変形はするのですが、使用に当たっては全く問題がありませんでした。
このような雑な扱いをしていても、特に壊れずに何度も使えることからすると、ユニフレームのファイヤーグリルは非常に耐久性が高いことがわかります。
難点があるとすれば、カバーがないことではありますが、焚火ができて、折りたたんで小さく収納できること、さらに、価格が7,000円程度と比較的良心的であることからすれば、十分購入するメリットがあるといえます。
デメリットがあるとすれば、風通しが良すぎることかと思います。
確かに、火をつけるのもやりやすいですし、木炭もよく燃えるのですが、よく燃えすぎるような気がします。また、壁が低いので、木炭を一方に寄せて高くするといったことも苦手です。
そもそも木炭を置くスペースの厚みが少ないのでこの点はやむを得ないのかもしれませんが、強火の遠火で焼くことなどは少し不得意なのかな?という印象がありました。
とはいえ、普通に肉や野菜を焼く分には全く問題はありませんし、ヘビーロストルを購入すれば、ダッチオーブンも利用することができるので、必要にして十分な機能があるといえます。
三つめはウェーバーグリルです。
このメリットは何といっても、蓋(カバー)があることといえます。
カバーがあると分厚い肉をおいしく焼くことができるので、「バーベキューに来た感」が強まります(詳しくはウェーバーグリルの魅力)。
そのほかに、ウェーバーグリルは耐久性が高いため、焚火にも利用することできます。僕もやってみたことがありますが、使用には全く問題がありませんでした。
難点があるとすれば、折りたたむことができないことですので、その日のメニューにもよりますが、ウェーバーグリルまで利用する必要がない場合には、他のグリルをもっていくということもありうるでしょう。
最後に
チャコールグリルをお勧めしてきましたが、日本よりバーベキューについて進んでいる諸外国ではガスグリルの方が売れているそうです。
日本人の方が味にこだわるという可能性は否定できませんが、基本的にはバーベキューの頻度が外国の方が圧倒的に高いので、簡単なガスグリルが普及しているのでしょう。
日本の現状からすると、チャコールグリルの方がおすすめではありますが、ガスグリルの方が悪いというわけではありません。
やはりバーベキューは遊びの一環なので、考え始めると終わりはありませんが、参考の一つになれば幸いです。